社団法人投資信託協会が発行している月刊誌『投資信託』を購読しています。日本や世界の投信の統計等が掲載されています。年間購読は税込・送料込6,800円です。
その中で、気になった統計がありました。追加型株式投信の本数と、毎年の新規設定数の推移です。
青線・左軸がファンド数の合計です。1985年は、たったの113本しかなかったことに驚きました。そして10年間で10倍ほどに増えています。06年には、当時の約20倍の2300本近くになっております。
さらに興味深いのが新規設定の数です。
赤線・右軸が新規設定数の推移です。89年前後のバブル、2000年前後のITバブルと呼ばれた時期など、マーケットのピーク、もしくは少し遅れるかたちで設定数の伸び率が比例しているようです。ここには記載しておりませんが、単位型株式投信の方が、90年代半ばごろまでは新規設定の主流だったようです。
現在、新聞・雑誌等で投資信託ブームが盛んに伝えられているようですが、確かにここ数年の新規設定数伸びからも、ブームと言えるかもしれません。
過去のブームの特徴は、まさに”ブーム”に終わったことです。マーケットが調整し、ブームが去ると、「投資信託は駄目だ、絶対損する」などという投信停滞期がやってきます。停滞期が去ると、また売る側も買う側もそれを忘れて、「次こそは」と、参入しようと新規設定を行い、買いに走ります。
この繰り返しでは、「貯蓄から投資へ」なんて出来るはずもなく、ただマーケットに振り回されるだけに終わります。
ブームだからこそ、販売・運用側は投資教育に力を入れ、投資家は勉強しなければならないと思います。マーケットを、上昇時の点だけで捉えてしまうと、後に「やっぱり儲からない」となります。上昇・下落を含めた面で捉えれば、下落の時への備えや行動が身につくはずです。
現在のままでは、またブームが去り、投資家は投信への恨みを残したまま退場し、大量解約に遭遇した運用会社や販売会社は数年間の停滞期を耐えしのぐというサイクルへ後戻りしてしまう懸念があります。
売ることばかりを優先せずに考えるべきこと、買うこと・儲けることばかりを優先せずに考えるべきことがあるはずです。
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