ここ数年の投信市場への資金流入の大きな要因の一つが、ファンドオブファンズ形式で国際分散投資するバランス型ファンドです。
国際分散投資が大事であることは言うまでもないのですが、バランス型ファンドひとつひとつの資産の組合せ方は多岐にわたります。投資家にとって、どのバランス型ファンドに投資すべきか(または投資すべきでないのか)は、非常に悩ましいことかもしれません。
ファンドゲット.comでは、バランス型ファンドをそれぞれどのアセットクラスかに投資するかによってカテゴリー分けしています。以下の表は、バランス型ファンドのうち、株式と債券に投資するものと株式と債券と不動産に投資するものについて、それぞれどんな組合せのファンドが存在しているかを示したものです。
■バランス/株式・債券
国内株式 | 国内債券 | 外国株式 | 外国債券 | |
---|---|---|---|---|
1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
2 | ○ | ○ | ||
3 | ○ | ○ | ||
4 | ○ | ○ | ○ | |
5 | ○ | ○ | ○ | |
6 | ○ | ○ |
■バランス/株式・債券・不動産
国内株式 | 国内債券 | 外国株式 | 外国債券 | J-REIT | 外国REIT | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
3 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
4 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
5 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
6 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
7 | ○ | ○ | ○ | |||
8 | ○ | ○ | ○ | |||
9 | ○ | ○ | ○ | |||
10 | ○ | ○ | ○ |
以上のように、株式と債券に投資するといっても、国内資産と外国資産を分けると6種類あり、株式と債券と不動産に投資するものでは10種類に分類できます。さらに、外国資産といっても、さらに先進国とエマージングに分かれたりと、細かくすれば、きりがありません。
ここまで分かれているということは、アセットアロケーションに正解はないことの証でもあります。その一方で、販売側の論理で、投資家の目先を変えるために、あえて新しい組合せを提案している点も否めません。
正解がない以上は、出来るだけシンプルにしたほうがいいのではないでしょうか。多くの人にとって、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券の4つで十分ではないかと思っています。もちろん、勉強したうえで、その他のアセット(オルタナティブなど)を組合わせることはいいことです。
私自身は、バランスファンドを積極的に買いたいとは思いません。一万円からでも分散投資できるのは魅力のひとつではありますが、自分でシンプルに組み立てていくつもりです。数種類のファンドに投資できる余裕ができるまでは、日本株ファンド1本でやっていきます。
バランス型ファンドに投資したいと思っている方へアドバイスするとすれば、その運用会社が、本当に長期間にわたって運用してくれそうかどうかをまず考えて欲しいということです。何のために国際分散投資するかというと、長期間にわたってリスクを低減させて安定したリターンを得るためなのですが、数年で繰上償還になるバランス型ファンドもあるからです。
バランス型ファンドの一つで、一時期に流行ったターゲットイヤー型ファンドがありますが、目標は何十年も先なのに、設定から数年で償還しまったものも現実にはあり、これは笑えない話です。運用・販売サイドが、品揃えの一つとして、安易にバランス型ファンドを設定すると、こうなってしまう恐れがあるのです。
何十本、何百本の商品を抱えている運用会社のバランス型ファンドがいまいち信用できないのには、そんな心配があるからでもあります。
個人投資家は、運用会社の長期にわたる本気度と覚悟が伝わってくるようなバランス型ファンドを選ぶべきでしょう。
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