投資信託への否定的な意見の一つに「販売手数料が高過ぎる」、という意見があります。2006年11月に発表された投資信託協会の『投資信託に関するアンケート調査』においても、投資信託の不満に感じる点の1位「元本保証がない」に次いで「手数料が高い」という結果が出ています。
個人的には、販売手数料それ自体はあってもいいと思いますが、約定金額(基準価額×取得口数)に一定料率を乗ずる方式には疑問を持ち始めています。
そもそも販売会社の取扱い業務の中には、
・受益証券の募集および売買の取扱
・収益分配金、償還金および一部解約金の支払いの取扱い
・受益証券の保護預かり
・受益証券の買取りおよび買取り受益証券の一部解約の請求
・目論見書の交付
・運用報告書の交付の取扱い
・収益分配金の再投資
・所得税および地方税の源泉徴収
・取引報告書等の交付
田村威/杉田浩治/林皓二『改訂 プロフェッショナル投資信託実務』277頁(経済法令研究会、2004)
が含まれています。これらを、販売手数料や信託報酬の一部から支弁していることになります。
これらの項目を眺めていると、約定金額に応じた手数料体系に疑問が湧きませんか?
例えば、銀行や証券会社での窓口においては、同じファンドならば同じ説明を受けるはずです。100万円買う顧客に比べ、1,000万円買う顧客に10倍詳しく説明することはないですよね(1,000万円のほうが多少親切に説明してもらえるかもしれませんが)。
また、目論見書、運用報告書、取引報告書、などの書類も10倍多くもらうわけではないですし。
そう考えると、販売手数料は一定料率制とせずに、定額制という選択肢があってもいいのではないでしょうか?制度上出来るかか出来ないかは別として。
投資信託を買うときと保有するとき、そして売るときそれぞれにコストがかかるのは確かなわけですから、それなりの手数料はあってもいいと思うのです。そのため今回、定額制について考えてみました。
なお、信託報酬のうち、運用会社の取り分は、現在の一定料率制にそれなりの合理性があると思っています。
あまり説得力のある説明ではなかったかもしれませんが、なにか良い意見をお持ちの方がいらっしゃれば、教えてください。
2 件のコメント:
はじめまして、rennyと申します。
"rennyの備忘録" でこのエントリをご紹介させていただきました。
制度上不可能ということなら、業界寄りの制度ですよね。
勿論、理論上はそうですが自分で株を購入した場合も手数料は約定額で変わってきます。
しかし株式だと最低約定以下だと割高になりますが投資信託は最低約定が1万口以上とかが多く安い方向でもかなりの範囲まで比例してくれます。
私自身はこの性質を利用しいっぺんに購入しないで分けて購入しようと思います。
いっぺんに購入するのは余程明確な上昇トレンドで早く買わないとドンドンがってしまう場合のみですね。
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