普段は読み飛ばすことの多い日経新聞朝刊の『経済教室』ですが、今日のタイトルが「外貨準備を考える(上)(東京大学教授 伊藤隆敏氏)」だったので読んでみました。
その中の提言は、米国債等からの利子収入から政府短期証券の利払いと諸経費を差し引いた運用益(最近では年300億ドル)を積極運用すべきということです。
安全性・流動性の観点から米国債中心の運用が適しているが、そこから得た運用益部分は積極運用しましょうよってことですね。確かにこの考え方だと、積極運用に消極的な財務省も納得するかもしれません。
この記事の中で印象に残ったのは、外国為替資金特別会計は結果的にキャリートレードを行っているという点です。政府短期証券による資金の調達とその利子の支払いは円建で、資産の米国債とそこから得る利子収入はドル建てであることが同会計の仕組みだからです。
日米の金利差が大きいので、年300億ドルも儲かっているけれども、金利が逆転するとそれがマイナスになるリスクがあるので、外貨準備の利回りを高めるために積極運用すべきとの論拠に納得しました。
私自身はこの提案ならば賛成ですが、最大の障害は国民感情でないかと思ってます。運用する以上、単年度にある程度のマイナスになることは必ず起こるわけですが、超安定志向の国民はそれだけで「けしからん」ってなりそうですから。
「貯蓄から投資へ」の道のりがまだまだ遠い状況では、なかなか国民の理解が得られないと思いますので、国民への投資教育が先に行われるべきかもしれません。金融知識が向上すれば、「円天市場」みたいなものにだまされる人も少なくなるでしょう。
経済教室をまだ読んでいないひとはぜひご一読を。
私の投資信託による運用の状況と、投資信託全般の話題についてのブログです。
2007-10-04
外貨準備の運用
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